日本小児白血病リンパ腫研究グループ(Japanese Pediatric Leukemia/Lymphoma Study Group, JPLSG)は、2003年に小児癌白血病研究グループ(CCLSG)、小児白血病研究会(JACLS)、九州山口小児がん研究グループ(KYCCSG)、東京小児がん研究グループ(TCCSG)の共同研究組織として設立されました。JPLSGは、これら4つの研究グループの枠組みを残しつつ全国統一の臨床研究を推進し、小児血液腫瘍性疾患の診断および治療の標準化、難治性疾患の治療開発を行って治療成績の向上を図ることで国民の健康と福祉の増進に貢献することを目的としています。設立当初は、財団法人がんの子どもを守る会の特別事業として運営されていましたが、公益法人関連3法の施行を受けて、2010年4月に特定非営利活動法人日本小児白血病リンパ腫研究グループ(NPO-JPLSG)として独立しました。現在、166施設が参加しており、国内の小児白血病・リンパ腫診療施設のほぼすべてに相当します。

 小児白血病リンパ腫は、過去40年間の治療の進歩により80%以上で長期生存が期待できるようになってきました。しかしながら、未だ治癒が難しい病気や治っても晩期合併症に苦しむ患者さんが多くみえます。病気のタイプや患者さんの体質にあった適正な治療法の確立が望まれます。これまでの治療の進歩は、欧米先進国の小児がん研究グループの研究成果に負うところが大きいと言えます。国内でも70年代から各地域で研究的な治療が行われてきましたが、小児白血病リンパ腫は2万人に1人のまれな病気であり、どの治療法がよりよいかを調べるには全国の患者さんの協力が必要です。さらに、病気のタイプや患者さんの体質にあった治療法を開発するには、ひとつの国だけでは困難になってきており、最近では、世界の国々の同じ病気の患者さんが協力して同じ治療研究に参加して治療法を開発することもまれではありません。全国の患者さんと医療者が力を合わせて初めてより良い治療法が創られていくのです。

 これまでJPLSGでは、リンパ腫、急性骨髄性白血病(AML)、乳児急性リンパ性白血病(ALL)、フィラデルフィア染色体陽性ALL、再発ALL、慢性骨髄性白血病(CML)、血球貪食性リンパ組織球症(HLH)の各疾患・病型について全国で統一した治療研究を行ってきました。T細胞性ALLやB細胞性ALLの臨床試験もまもなく始まります。全国どの地域にもJPLSG参加施設があり、最新の治療研究に参加することが可能です。それにより、全国標準の診断と治療、さらに新規開発中の治療を受ける機会が得られます。
 このようにJPLSGは、質の高い臨床研究を行う中で最良で最適の治療法を提供するとともに、医療者の教育研修や一般の皆様への情報提供を積極的に行って、医療の質の向上と支援の輪を広げていきたいと考えております。白血病をはじめとする血液腫瘍性疾患のすべての子どもたちが病気を克服して健やかに成長して社会に羽ばたけることを願ってやみません。
 
 皆様のご指導とご支援をよろしくお願い申し上げます。



 

理事長
堀部 敬三
(独立行政法人国立病院機構
 名古屋医療センター臨床研究センター長)